花弁を青色に調節するアサガオのNhx1遺伝子
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概要
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植物細胞内小器官(オルガネラ)である液胞の内部pHの上昇が花弁の色調を青色へと導いていることは予想の範囲内であったが、どのようなタンパク質が液胞の内部pHの上昇機構に関与しているのかはほとんど分かっていなかった。アサガオ植物は早朝、花弁の開花とともに花弁液胞内部のpHの上昇に伴って赤紫色から美しい青色を呈するようになる。そこで我々は日本アサガオ(Ipomoea nil)を用いてその花弁表層細胞に存在する液胞型Na+/H+exchangerタンパク質が花弁胞内pHを上昇させることによって花弁色調を青色へと導いていることを明らかにした。すでにアラビドプシスではAtNhx 1;液胞型Na+/H+exchanger 1、遺伝子の過剰発現形質転換植物体が塩耐性能を獲得することが報告されており、我々が示した新規な知見と併せて植物における液胞型Na+/H+exchanger がもつ多様な機能と植物における重要性への理解がより深められたと言える。
- 岡山大學農學部の論文