ブタ卵子の体外成熟培養時において性腺刺激ホルモンに刺激された卵丘細胞のプロジェステロン生産にはCa2+-PKC系とcAMP-PKA系が共に必要である
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概要
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ブタ卵丘細胞卵子複合体(COCs)をホルモン無添加培地で24時間培養した時の培地中プロジェステロン濃度は7.8±1.5ng/mlであった。FSHの添加により濃度依存的に培地中プロジェステロン濃度は有意に増加し、0.02g/mlFSH投与区において最大値を示した。しかしながら、LH添加培地でCOCsを24時間培養した時の培地中プロジェステロン濃度は低いままであった。COCsを0.02μg/mlFSHと1.0μg/mlLHを共に添加した培地で24時間培養した時の培地中プロジェステロン濃度は、FSHのみを添加した培地のそれに比較して有意に高い値であった。このFSH添加培地へのLHの添加によるCOCsのプロジェステロン生産量の増加は、Ca2+-PKC系の抑制によって有意に低下した。Forskolin刺激により誘起されるプロジェステロン生産は、Ca2+-PKC系の抑制による影響はなかったが、PKA抑制剤によって有意に低下した。これらの結果から、卵丘細胞においてFSH刺激により活性化したCa2+-PKC系は、LH刺激により活性化するcAMPPKA系を介したプロジェステロン生産を促進することが示された。
- 日本哺乳動物卵子学会の論文
- 2002-10-00
日本哺乳動物卵子学会 | 論文
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