タイストール牛舎における完全混合飼料(TMR)給与法の違いが生産効率に及ぼす影響
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概要
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タイストール牛舎における効率的な完全混合飼料(TMR)給与法を検討するために、泌乳牛29頭(初産14頭、経産15頭)を供試し、分娩後305日間の飼養試験を行った。供試TMRは高(H)・中(M)・低(L)濃度の3水準とし、試験区は泌乳期や乳量に応じて、H-TMRの自由採食からM-TMRの自由採食へ切り替えるHM区、M-TMRの自由採食から制限給飼、さらに乾草追給へと切り替えるM区、M-TMRの自由採食からL-TMRの制限給飼へ切り替えるML区、L-TMRへの補助濃厚飼料追給からL-TMRの制限給飼へ切り替えるL区の4区とした。 (1) 乾物摂取量は4区とも20kg/日程度で有意差はなかった。 (2) 試験期間中の実乳量と305日補正乳量に有意差はなかったが、4%脂肪補正乳量/日(HM区:32.6kg、M区28.1kg、ML区30.4kg、L区27.9kg)ではHM区とM区またはL区との間に有意差が認められた。 (3) 乳脂率に有意差はなかったが、乳蛋白質率(HM区3.22%、M区3.27%、ML区3.15%、L区3.33%)ではML区とL区との間に有意差が認められ、無脂固形分率(HM区8.82%、M区8.86%、ML区8.74%、L区8.96%)ではL区とHM区またはML区との間に有意差が認められた。 (4) 乳生産1kg当たりの飼料費はM区(36.0円)が他の3区(33.6~34.7円)に比べやや高くなったが、有意差は認められなかった。 (5) 分娩後における体重とBCSの減少度はHM区が最も大きく、回復も著しく遅れた。 (6) 空胎日数(HM区297日、M区125日、ML区110日、L区162日)ではHM区と他の3区との間に有意差が認められた。 産乳成績・飼料費・繁殖成績を総合的に考慮するとタイストール牛舎では、中濃度と低濃度のTMRを乳量や泌乳期に応じて給与する方法(ML区)が最も効率がよいと考えられた。
- 兵庫県立中央農業技術センターの論文
- 2002-03-00
兵庫県立中央農業技術センター | 論文
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