近交系マウスの受精・発生速度についての研究
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概要
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近交系マウスの受精・発生速度についての研究:RFM/Msを用いたC57BL/6Jとの比較32-38 鬼頭靖司1・舘野真太郎2・太田有紀2・野口淑子2 1放射線医学総合研究所、千葉市 〒263-8555、2サイエンスサービス、千葉市 〒263-8555 放射線照射により骨髄性白血病を高率に多発するRFM/Ms近交系マウスを用いて体外受精・体外発生の可否検定、並びC57BL/6Jマウスとの交雑比較実験を行った。RFM/Msマウスは、≧5i.u.eCG投与にて≧20個の卵子が排卵され、高排卵系統であった。RFM/MsマウスのTYHでの体外受精率は82%、kSOMでの胚盤胞への発生率は87%であった。しかしC57BL/6Jと受精速度を比較したところ、受精の速度はRFM/Msの方が有意に遅かった。受精・発生速度への雌雄因子の影響を調べるためにRFM/MsとC57BL/6Jとの交雑実験を行い、以下の結果を得た。受精については、雄側因子が受精速度に、雌側因子が受精率に影響していた。胚盤胞への発生並び、核数では雌雄因子の相互作用が働いており、孵化胚盤胞への発生は、雌性因子の影響が特に大きく、♀RFM/Ms×♂C57BL/6J胚において高率に起きた。これらのことから、雌雄双方の因子が、単独または相互作用により受精・発生率並び受精・発生速度に複雑に影響していることが示された。 キーワード:近交系マウス、RFM/Ms、C57BL/6J、体外受精、体外発生
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