開かれた共同体と優しさの行方 : キリスト教平和主義の視点を中心にして(下)
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概要
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本論文では、人類が国民国家間の葛藤を乗り越え、相互理解と相互協力に基づく開かれた優しさの共同体を構築することは如何にして可能であるのかという問いを立てている。次に、本論文の論文構成の論理の流れを概観してみよう。1章の序では、この論文の目的と全体の論文構成について述べている。2章の世俗逃避的キリスト教平和主義では、世俗を避け、平和主義と相互扶助愛を実践しているプロテスタント宗派のアーミッシュとフッターライトを取り上げ、その共同体活動について論究している。これらの世俗逃避的共同体では、その共同体作りの理念を貫きやすいが、反面、外に対して閉鎖的な側面を持っている。3章では、この閉鎖性を克服し広げていくための試みとして、ガンジーの非暴力の農村連合政府構想と柳田国男の相互扶助精神に基づく協同組合的農村連合国家構想について論じている。4章の世俗内的キリスト教平和主義では、この開放性を更に進展させていく試みとして、プロテスタント宗派のクェーカーの開かれた共同体作りとその超国家主義的国連思想・ピューリタン系譜の思想家、賀川豊彦の世界協同組合思想と同じくピューリタン系譜の思想家、マックス・ヴェーバーの対外的農業政策思想と国際政治社会学的思想について論究している。5章では、この論文のまとめと現代の平和についての傾向性と今後の展望について述べ、その論述の結びとしている。本稿では、4章のクェーカー以降の箇所である賀川豊彦から論を説き起こし、マックス・ヴェーバーを経て、5章の結びまでを論じている。
- 2012-03-15
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