看護学生の認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
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概要
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【目的】本研究の目的は、臨地実習における教員や臨地実習指導者のどのような言葉や態度が学生の成長を助ける若しくは妨げになるかについて明らかにし、よりよい実習指導に向けた示唆を得ることである。【方法】本学科4年生(1期生)を対象に(1)こんな指導を受けて自分が成長したと感じた指導者の言葉、態度、(2)こんな指導はやめてほしいと感じた指導者の言葉、態度について自記式質問紙調査を実施し(n=69;回収率90.8%)、質的帰納的に分析を行った。【結果】学生の成長を助ける指導者の関わりとして、【意欲を高める言葉と態度】、【思考と実践を高める教授技術】の2 つのカテゴリーが導きだされた。【意欲を高める言葉と態度】は、『学生の士気を高める』、『学生の心情の受容』、『学生の自主性の尊重』、『熱心な指導』の4 サブカテゴリー、【思考と実践を高める教授技術】は、『わかりやすい指導技術』、『考えを導く指導』、『学習環境の調整』、『適切な評価』の4サブカテゴリーより形成された。一方、学生の成長の妨げとなる指導としては、【学生の自尊心への配慮不足】、【思考と実践の発展を阻害する指導】の2 つのカテゴリーが導きだされた。【学生の自尊心への配慮不足】は、『学生の心情を理解しない関わり』、『学生を委縮させる関わり』、『不平等な関わり』、『不誠実な態度』、の4サブカテゴリー、【思考と実践の発展を阻害する指導】は、『指導時間の調整不足』、『タイミングの外れた指導』、『一貫性のない指導』、『問題解決ができない指導』、『一方的な指導』、『臨地実習指導者-教員間の連携不足』の6サブカテゴリーより形成された。【考察】本研究に参加した学生全員が、何らかの否定的な実習指導を受けていたという結果より、学科全体としてよりよい実習指導の在り方を検討することが必須の課題となった。学科FDの取り組みとして、1)実習における指導力の向上、2)コミュニケーション能力の向上、3)学生レディネスの把握、4)教員-臨地実習指導者との連携強化、5)自己研鑽の機会の提供を行っていきたい。
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