島村抱月「審美的意識の性質を論ず」の論理構造(一)
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概要
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島村抱月の「審美的意識の性質を論ず」(一八九四・九~十二)について、「同情」概念を中心に展開されるこの論の論理構造を検討する。大西祝の示唆を受けつつ、ショーペンハウアーの「同情」理論に依拠し、カント・ヒューム・シラー・ハルトマンらを引用しながら展開されるその論理が、基本的には、いわゆる「現象即実在論」の枠組みに制約されながらも、当時のドイツ観念論受容の水準を大きく抜く精密さを備えており、一八九〇年代から一九一〇年代にかけての批評を準備する内実を孕んでいたこと等を指摘する。また、日本近代美学・文学史における位置にも言及、抱月が中心になって推進されることになる一九一〇年前後のいわゆる日本自然主義の文学運動における彼の自然主義文学理論との関連についても論述する。
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