新たな製品概念への試み -「数楽アート」の考察-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究ノート株式会社大橋製作所が市場に送り出した「数楽アート」は,現代の先進国が,そして現代資本主義経済が展開すべき,新たな製品概念を提起している。「数楽アート」を“数学を楽しむアート”と理解した場合の,“数学を楽しむ”の意味には三つの側面がある。すなわち,“ゲームとして楽しむ”,“サイエンスとして楽しむ”,“アートとして楽しむ”である。つまり,「数楽アート」は,“アートとして楽しむ”ことに含まれ,しかも,“アート”が工業製品として市場に送り込まれたことに現代的意味が存在する。先進国経済の在来的・先端的諸産業は現在新興国,途上国に移転しつつある。先進国経済は,いわゆる「産業空洞化」,実体経済の後退が進展している。言い換えれば,先進国経済は新たな産業の創出,そのための新たな製品の創造を必要としている。先進国経済の従来の製品概念は,大量・高度・先端等々として特徴づけられてきたが,今日,グローバルな規模の環境制約・資源制約に直面している。その結果,先進国における新たな製品はそれ自体もその概念も創造されなければならない。「数楽アート」に代表される製品の誕生の意義はまさにそこにあり,歴史的な系譜をもちながらも,現代資本主義経済の開かれるべき地平に立っている。
- 2011-12-20
論文 | ランダム
- 憲法上の地方自治の保障--地方自治の保障と課題
- 財政の憲法原則とその態様--財政民主主義を中心として
- アメリカ合衆国の「性差別の否認」--性差別をめぐる憲法訴訟を中心として
- 自由論と能力主義論の諸相--憲法学的視座からの個人尊重と信任重視
- 「政治参加の平等」と均等主義--議員定数配分不均衡と均等な政治参加要請