自閉症スペクトラム障害児における他者への同一化と自己存在に関する不安の軽減 -フラッシュバックからの自己形成過程と他者との関係性の形成による支援-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現在、社会に適応するためのスキルトレーニングは重要な支援法として発展を見せているが、スキルを身に着けて必死に社会で適応することが可能になったとしても、その努力をすることの苦しさ、自分自身が、今ある自分自身について理解することの苦しさ、自分の特性を「どのように受け止めて生きるか」という自分自身への問いへの支援が必要である。そのような自分自身の障害と「どのようにつきあっていくか」という根本的な心理的混乱の軽減に結び付く「自己同一性の発達的課題」に対する支援アプローチは極めて少ないのが現状である。そこで本研究では、11歳の時の学校での外傷体験をフラッシュバックした男児が、14歳になり理想の自分の姿を「あの世」に求めて、「あの世」で現実のお気に入りの重要な他者と同一化することを願い続ける事例を通して、<私>としての自己のなりたちの過程、支援のかたちを検討した。そして発達の程度に関わらず、現実との違和感を感じる自閉症スペクトラム障害者における他者との同一化は、彼らの漠然とした不安を解消し安心、安全を得ようとする行為として考えられることから、その個々に異なる自己像を形成する行為への理解と支援の必要性が示唆された。
- 2012-03-31
論文 | ランダム
- エリスロポイエチンにて改善をみた腎性貧血合併糖尿病網膜症の1例
- アナモックス反応を用いた汚泥消化脱水ろ液中窒素除去システムの実証 (第45回下水道研究発表会講演集)
- 包括固定化アナモックス担体を用いた汚泥脱水ろ液中の窒素除去特性 (第44回下水道研究発表会講演集)
- 包括固定化加熱担体を用いた亜硝酸型硝化プロセスの検討 (第44回下水道研究発表会講演集)
- 低水温条件が及ぼす嫌気性アンモニア酸化活性への影響