不登校リカバリー群の心理的変容、情緒および行動特性に関する縦断的研究
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概要
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長期欠席者の予後転帰についてはいくつかの報告はあるものの、方法論上の問題もあり、前方向視的に良好か不良かを断定することはできない。不登校経験者が高校へ進学するケースは散見されるが、彼らの予後を長期縦断的に追跡した研究はほとんどない。本研究では不登校を経験し、高等学校ではほぼ通常通り通学している、不登校リカバリー群を対象者とした。対象者に高校入学と卒業時に心理特性を測定する自尊感情尺度や抑うつ尺度の質問紙や、子どもの情緒や行動を評価する、子どもの行動チェックリストの本人記入版(CBCL-YSR)が実施された。入学時と卒業時に自尊感情や抑うつ特性に有意な変容は認められなかった。CBCL-YSRを使用して新入生と卒業生を比較したところ、男子で外在的問題、女子で内在的問題において卒業生の得点の方が有意に低かった。またひきこもり下位尺度得点では男女とも有意に卒業生の方が低かった。不登校リカバリー群の転帰や調査対象校の指導体制について考察を加えた。
- 2012-03-31
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