反照に浮かぶ「東洋」--戦後の少年少女向け翻訳叢書における位置と範囲--
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概要
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一九五〇年代に創元社と講談社からそれぞれ刊行された二つの「地域割り」叢書について、これまで進めてきた「西洋」諸地域の翻訳作品の少年少女読者に対する提示のあり方を念頭に置いた上で、「東洋編」の諸巻の検討を行った。先行する数種の叢書類の巻構成や最近の「東洋学」関係の論考を踏まえた上で、創元社版の「東洋編」が編者側のきわめて意欲的な構想のもとに成立していること、反面、「西洋」における当時の学術成果のもとに一元的な文化程度の判断基準が存すること、「中国」の比重が後半に高まることを指摘し、また講談社版では、創元社版と差異化が図られつつも収録作品等で共通性が見られること、創元社版と共通する編者側の意識があることを確認した。両者の検討を通して、当時の児童文学関係者たちにとって、「日本」が「西洋」を経由したまなざしの下に、「東洋」の内でもあり外でもあるという二重性を持って自己認識されていたことが露呈した。
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