ヘルマン・ドーイウェールトの知的環境
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概要
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本稿は,C. T. McIntire, ed., The Legacy of Herman Dooyeweerd: Reflections on Critical Philosophy in the Christian Tradition(New York: University Press of America, 1985)に第1章として収録されている,“The Intellectual Milieu of Herman Dooyeweerd”(Albert M. Wolters著)の翻訳である.ヘルマン・ドーイウェールトは,最もオリジナルかつ体系的哲学者のひとりであり,その独創性においては,ベルナルド・スピノザに並ぶ,オランダを代表する哲学者である.オランダ・カルヴィニズムの世界観の伝統に根ざしたキリスト教哲学を展開した彼の大著,A New Critique of Theoretical Thought(1953-1958)は,実際上,どの研究領域に対しても,「知的世界のある種の一般的思想体系ないし地図」(William Temple)を与えるとして,オランダ内外においてその評価は極めて高い.ドーイウェールト哲学を自己の学問の基盤とするキリスト者の研究者の数は,オランダはもとより,北米を中心に世界中の教育研究機関で増え続けており,一大ドーイウェールト学派を形成している.彼らの多くが集う,The Association For Reformational Philosophy(事務局はFrije Universiteit Amsterdam哲学部に置かれている)は,この学派の一つの主要な研究拠点として知られている.しかし,ドーイウェールト哲学は,本邦ではキリスト教世界においてですらほとんど知られていないのが実情である.そこで,ドーイウェールト学派の哲学者および理論家6人の論文から成る本書を訳出することで,ドーイウェールトの思想的・哲学的遺産の大まかな全貌を批判的に浮き彫りにしたい.本稿が,ドーイウェールト哲学に日本語でアクセスしやすい知的環境を整え,そのことによって本邦においてもドーイウェールトの知的遺産を受け継ぐ契機となることを願うものである.
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