東日本大震災直後での山形大学医学部附属病院救急部の診療状況
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概要
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平成23 年3 月11 日におこった大地震の後、山形県内の大部分は停電となった。当院では非常用電源を用いたため、救急患者の受け入れが可能となった。この震災直後に来院した患者について検討を行った。【方法】3 月11 日14 時46 分より12 日24 時までに当院救急部を受診した患者を対象とした。調査内容は来院時間、来院方法、疾患名である。さらに来院した一酸化炭素中毒と在宅酸素療法(HOT)、在宅人工呼吸療法(HMV)の患者についても検討した。【結果】この期間に来院した患者は69 名であり、このうち救急隊により搬送された患者は29 名(42%)であった。重症外傷は4 名であり、うち1 名は緊急手術となった。一酸化炭素中毒は10 名、HOT は5 名とHMV の患者は2 名来院した。【考察】山形市内の多くの病院が震災の影響で、診療対応が整わないため当院で救急車の大部分を受け入れることとした。重症外傷は4 名であり、一酸化炭素中毒の患者は10 名であった。原因は暖をとるための、練炭や発電機の使用であった。余震のため高圧酸素療法を行わない方針とし、大気圧下酸素吸入療法をおこなった。その後遅発性脳症を呈した症例は無かった。また、HMV の2 名は来院後直ぐに入院となった。HOT の患者は外来で酸素投与を行い、4 名が帰宅し1 名は入院となった。山形市内は震災直後より気温が氷点下となり、寒冷期の災害であるため一酸化炭素中毒が多く発生した。一方、停電よりHMV やHOT の患者は危機に瀕することは以前から報告されており、行政と病院、在宅酸素供給業者が平時より対策方法を協議しておく必要がある。
- 2012-02-25
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