東日本大震災における山形大学医学部附属病院 Disaster medical assistant team(DMAT)活動報告
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概要
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平成23 年3月11 日、私たちがこれまでに経験したことのない大震災が発生した。死者1万5,000 人、行方不明者は4,000 人を越える。今現在でもその爪痕は大きく残り、被災地は未だに混乱を窮めている。津波による人的・物的被害の大きさはこれまでに例をみることなく、地震発生直後は特に大混乱し、電気・水道・ガスといったライフラインの途絶に加え、交通網は遮断され、通信手段も破綻し、超急性期においては要緊急治療患者(いわゆる赤タッグ)の割合が少なく、過去に経験した震災とはその内容が大きく異なる。平成7年に起きた阪神・淡路大震災を契機に、「避けられた外傷死」を少しでも減らすため、災害医療支援チーム(Disaster Medical Assistant Team;DMAT)が作られた。被災現場で救護された傷病者のうち、重症者は主に救急車などで現地の災害拠点病院に搬送される。手術や集中的治療が必要であったり、透析患者のように現地の災害拠点病院では管理しきれない患者は遠隔地での治療が望まれる。空路で遠隔地に搬送するため、このような患者を1 ヵ所に集め、再評価(加療)とパッケージングをし、送り出す業務がStaging Care Unit(以下、SCU)である。DMAT は、組織的に活動することを基本とし、現場救護活動、病院支援、域内搬送、SCU、広域搬送、そして遠隔搬送先での受け入れ調整などの業務を行い、発災からおよそ1 週間の混乱した急性期の医療を担うことを目的とされている。今回の東日本大震災における山形大学医学部附属病院DMAT(以下、山大DMAT)の活動は主にSCU でのものであった。超急性期における山大DMAT の活動内容を経時的に報告し、いくつか経験した問題点を挙げてみる。
- 2012-02-25
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