CTにて診断された肝膿瘍の2症例
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概要
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肝膿瘍は治療が遅れると敗血症や多臓器不全を来たし、致命的な転帰をとることがある。そのため、早期の診断と治療が肝要だが、肝膿瘍は特異的な所見に乏しく診断は困難である。今回、発熱を主訴に来院し、CTにより肝膿瘍と診断された2例を経験したので報告する。症例1:69 歳男性。41℃の発熱があり、熱中症を疑われて当院救急部に搬送された。血液検査所見から肺炎を疑ってCTを撮影したが、肺野に異常陰影は認められなかった。しかし、肝に低濃度吸収域を認めたため腹部造影CTを施行し、肝膿瘍と診断された。症例2:51 歳男性。41℃の発熱があり、新型インフルエンザ疑いで当院救急部に搬送された。血液検査所見から肺炎を疑い、CTを施行した。肺野に異常陰影は認められなかったが、CTで肝の低濃度吸収域を認めたため腹部造影CTを施行し、肝膿瘍と診断された。 考察:これまでの報告では、肝膿瘍は特徴的な所見に乏しいといわれており、臨床症状や血液検査から肝膿瘍を特異的に診断する方法はない。今回の症例では肺炎などを疑ってCTを施行した際に、肝の低濃度吸収域を指摘することができた。肝膿瘍は、非侵襲的で簡便な腹部超音波検査でも指摘できることがあるが、術者の技術によって見落とされることもある。したがって、原因が明らかではない発熱患者には、CT まで施行することで肝膿瘍を指摘できる可能性がある。
- 2012-02-25
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