阿蘇地域における草原維持対策の実態とそのコスト問題
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概要
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The main purpose of this study is to make clear the possibility of practical maintenance policy in the grassland at Aso Area. First, we made clear the relations between calf breeding farmers and maintenance activities of grassland at Aso area, and estimated the future conditions of call breeding farmers at Aso area. Second, according to the research of maintenance activities in each town at Aso area, it was clear the present conditions of maintenance activities, and it's problems and cost in each maintenance activities. Third, the analysis of coffers about maintenance activities lead to the findings that the coffers from tax to the tourists in Aso area can cover the maximum cost of maintenance activities.阿蘇地域の草原は, 伝統的に繁殖農家である集落の住人が牧野組合を組織し, 放牧地として草原を利用することによって, その維持管理を行ってきた. しかし, 近年, 佐藤(1993)をはじめ, 多くの識者, マスコミ等によって, 繁殖農家の減少とともに阿蘇地域の草原維持が厳しい局面にあると指摘している. このような局面を打開するために, 草原維持にはどのような対策が存在し, またその効果及びコストはどの程度必要なのであろうか. 本研究の目的は, 阿蘇地域の草原を対象に, 実効性のある草原維持対策を検討することにある. 本研究では, まずはじめに, 阿蘇地域の繁殖経営の将来動向を概観し, 管内地域毎の繁殖農家数と現在, 草原維持にとって最も作業上のネックとなっている防火帯面積の関係について検討する. つづいて, 管内町村の聞き取り調査によって現状の防火帯作りの実態とその規定要因, 草原維持のための今後の対策について整理する. さらに, 各対策毎のコストを簡単に試算し, その財源を考察することによって, 草原維持対策コスト導出の可能性を検討する.
- 九州大学大学院農学研究院の論文
九州大学大学院農学研究院 | 論文
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