市場と投資競争
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概要
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本稿では市場構造が研究開発及び広告への投資に与える効果に関する実証分析を行った。ミクロレベルで見た研究開発及び広告投資への関与の有無に着目し、各投資関数をサンプルセレクションモデルにより推定した。その中で、市場シェアと集中度とを戦略的投資への関与に関する潜在変数として用いることにより、市場構造が企業の投資競争へ及ぼす効果を検証した。日本企業のデータによる推定結果は次の通りである。第一に、市場集中が進むほど研究開発競争に参加する企業の比率は増加し、その一方で広告競争に参加する企業の比率は低下する傾向が見出される。第二に、価格費用マージンと研究開発及び広告投資強度との間にはいずれも正の関係が有意に見られ、また広告投資は研究開発投資に比べてより敏感に価格費用マージンに反応することが確認される。第三に、市場シェアの及ぼす効果については研究開発投資と広告投資とで異なり、研究開発投資への関与には有意な効果は見られず、広告投資のみについてその効果が認められる。最後に、研究開発と広告との比重については市場シェアからの影響は見出されず、集中度と価格費用マージンとによる広告への正の効果が確認される。また業種による広告投資比重の違いについては食品は相対的に高く、工業製品、素材産業は相対的に低い傾向が見出される。
- 2011-12-28
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