明治前期における笑い論の受容と展開
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概要
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明治期における諸学問の成立の背景は、すでに各領域から十分な考察がなされ、学問の受容と展開の歴史が明らかにされている。滑稽的な内容としての笑いではなく、笑いを科学的に論じる研究も明治期から本格的に取り組まれるが、笑いは一学問領域で扱われるべきものではなく、おかしみの笑いではない笑いの研究の歴史については、ほとんど取り組まれていないのが現状である。本稿では、西欧近代思想に基づく笑い論が、明治20年代までの、近代化途上にある日本で受容され、展開する過程を、人物の交流関係も手がかりとして考察する。明治20年代までには、娯楽文化以外で笑いが注目され、滑稽の分析としての笑い論が展開する。日本での科学的な笑いの考察は、まず自由民権運動での演説の技術と関わった。20年代には、西欧近代思想を学んだ帝国大学卒業生たちの、領域を超えた交際を中心に、本格的な笑いの科学的な研究が発足し、日本の近代化の流れとともに笑いが論じられた。
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