プロテオミクスを用いた神経免疫疾患活動性マーカーの網羅的解析
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概要
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ポストゲノム時代に入りプロテオ-ム解析が注目され,その技術を用いて様々な疾患における新規バイオマーカー探索が盛んに行われている。 本研究では多発性硬化症の疾患活動性を反映する血清マーカーを検出することを目的に,マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI-TOF MS)によるプロテオーム解析を行った。 MALDI-TOF MSを用い,多発性硬化症31例と正常対照48例の血清中ペプチドプロファイルを解析し,存在量に差のある低分子ペプチドを検索した。次に正常対照と有意差のあったペプチドを対象に,多発性硬化症16例の再発時と寛解期の血清を比較した。 血清中の存在量に差のあるペプチドを,正常対照と多発性硬化症の比較で10個認めた。そのうち1つのペプチド(分子量1741Da)が,寛解期と比較し再発時に有意に高値であった。このペプチドはタンデム質量分析で,補体C4のα鎖上にある15個のアミノ酸からなるフラグメント(NGFKSHALQLNNRQI)と同定された。なお,血清中の補体C4値は再発期の多発性硬化症で正常対照と差がなかった。 MALDI-TOF MSを用いたプロテオーム解析は,これまで測定することができなかったペプチド領域を含めた生物学的マーカーの検出に有用であった。本研究で同定された補体C4のフラグメントは多発性硬化症の再発マーカーとなる可能性がある。
- 2011-10-01
論文 | ランダム
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