中途視覚障害者における障害の受傷から社会復帰にいたるまでの心理的変化とそのプロセスに関する研究
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概要
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本研究は、人はどのような心理的な変容過程をへて視覚障害を克服していくのか。人生の途上で病気・もしくは事故により視覚に障害をきたした人が、障害と向き合い、社会復帰をとげるまでの心理的変化についての研究である。これは私が15年間の盲学校生活を通し、多くの中途視覚障害者と出会ったこと、そして彼らが強いストレスを抱えていたことがきっかけである。障害を心から受け入れることを「受容」や「克服」という形で言われている。これまで障害の変容に関しては多くの研究がなされてきた。その代表的なものは、障害の克服に段階的な心理的変容過程を経験する「段階理論」と、健常時の身体を基準とした生き方から、障害を負ったことによって変化した身体を基準にした新しい生き方に、できるだけ早く転換させることが重要だとする「価値転換理論」である。本研究では、特に段階理論をモデルに、中途視覚障害者の心理的変化について研究した。心理的変化をする上での、状況の変化、周囲との関係などから、受容を促進する要因、また妨げている要因について研究したい。