『太平記』における後醍醐天皇の物語
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概要
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『太平記』は、後醍醐天皇の倒幕、その後の南北朝の騒乱を描いた四十巻からなる軍記物語である。その『太平記』の序は、長谷川端氏の「いわゆる第三部の巻々がまとめられた時点と大きく関連していると考えられる。」という指摘をもとに考察すると、『太平記』がかなり形を整えた後に加えられたものであると考えられる。そしてそのことから、序が表す、世を治めるための条件である「天の徳を備えた天皇と地の道を実践する臣の存在」つまり、「儒教的政道観」というものは、作者の「世界観」・「政道観」または、「作者の世界認識の基本姿勢」をあらわすものであるとともに、『太平記』世界を支配する基本的な思想であると考えた。そして、『太平記』作者(作者群) が南北朝の内乱の様相を物語として、綴り上げていく上で、重要視したものは「君と臣による政道のありかた」というものであり、四半世紀にいたる争乱の原因を後醍醐天皇と北条高時に求め、高時のみが悪なのではなく、後醍醐天皇も悪であるという考えの下、綴られた物語であると考えた。
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