アルザスのコロンパージュ建築(上)
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概要
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フランス最東部に位置するアルザスの南北、すなわち北部のドイツと国境を接する都市ヴィサンブールからアルザス南部のスイスと国境を接するスンゴー地方まで、そしてアルザスの東西、すなわち東のドイツと国境を画するライン川から西へアルザス平野を横切り、ブドウ栽培村落から偉容を誇るヴォージュ山脈を超えて峡谷に点在する山間村落まで、伝統的なコロンパージュ建築の家屋が見られる。これらの建築群はアルザスの建築的・文化的遺産であり、また芸術的遺産であることを証言するものといえるだろう。その伝統的建築工法をコロンバージュcolombage(ドイツ語:Fachwerkファッハヴェルク:「木骨造り」) と呼んでいる。.コロンバージュcolombageの語は、古典ラテン語のcolumba(柱)を語源とする古フランス語のcolonner「[木骨構造体の]柱を支える梁」から生まれた。この語colonneが、同音異議語のcolumba(鳩)と混同された結果、次第にcolombaと表記されていった。この語に接尾辞-age(「状態、性質」を表す)を附加してcolombageの固有名詞が成立したとされる(1340)。なおコロンバージュは「パン・ド・ボワJ」Pan-de-bois (「木骨軸組工法」) とも呼ばれる。建築用語としてのコロンバージュは「柱、梁、斜材などの木材を外部に露出させ、その壁面の空間を石材、土壁、煉瓦などで埋める構造」と定義される(Melchior de Vogue et als., Glossaire de termes thechniques,Zodiaque,1989)。小論では、アルザスのコロンバージュ工法について考察したい。本号(上)で、コロンバージュ建築の起源を探るとともに一般的な外観を考察し、次号(下)で、一般的な建築内部について取り上げたい。
- 2011-03-15
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