帝国鉄道会計の二重構造と複会計システム
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概要
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本稿では,日本の帝国鉄道会計を俎上にのせ,イギリスで生成された複会計システムとの比較を行い,帝国鉄道会計における複会計システム採用の可能性を検討する。複会計システムは資本勘定・収益勘定・一般貸借対照表によって会計報告書が構成されており,複式簿記を前提とする報告会計システムであった。帝国鉄道会計は戦前日本の国有鉄道の会計であり,1921年以降、資本勘定・収益勘定・用品勘定からなる三勘定制が採用されていた。帝国鉄道会計は官庁会計の方式にしたがって複式簿記を用いない「予算執行会計」と,財政状態と経営成績を把握するために複式簿記を用いる「事業会計」による二重構造を有していた。予算執行会計の会計報告書は三勘定によって構成されているが,事業会計の会計報告書には三勘定が反映されていなかった。このため,複式簿記を用いない予算執行会計も,会計報告書に三勘定が反映されていない事業会計も複会計システムとはいえず,帝国鉄道会計は複会計システムを採用していないことが判明した。
- 2011-09-08
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