日本とオランダにおけるチューリップ球根の生産費
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概要
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近年,日本におけるチューリップ球根の生産は大きく減少した。これは日本経済の長期停滞に加えて,安価な球根が大量にオランダから輸入されているためである。日本の生産量(2006 年)はピーク時(1993年)の3分の1になった。オランダ産球根のマーケットシェアは80%に達している。 国際競争力の第一は生産費である。本稿の目的は日本とオランダの農業経営を比較し,チューリップ球根生産費の特徴を見出すことにある。2009 年11 月に日本とオランダの球根農家を面接により生産実態を調査し,両国のチューリップ球根生産費を比較,検討した。 本事例調査における主な結果は次の通りである。(1)オランダ産球根の平均価格は日本産の半分以下である。(2)オランダにおける1ha当たりの生産(出荷)量は日本の2 倍程度である。(3)オランダの農場規模は日本の4 倍以上である。(4)オランダの生産システムは大型のトラクタや機械を使用している。その結果,オランダの1日当たりの球根植付け面積は日本の10倍ほどである。(5)オランダにおける生産費に占める賃金の割合は日本よりも小さい。(6)オランダにおける生産費に占める減価償却費の割合は日本よりも大きい。(7)オランダにおける生産価格に占める農業所得の割合は日本よりも小さい。
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