小説テクストにおける受身表現の述語動詞
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概要
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本稿では、受身に使用される動詞について取り上げ、受身の分類ごとに分析して考察した。その結果、一人称小説・三人称小説ともに有情物主語「迷惑・恩恵」の受身は、動作動詞や伝達動詞や感情態度動詞と多く結びつき、「迷惑・恩恵」の感情を伴う際に用いられることを確認した。有情物主語「中立」の受身は、伝達動詞や動作性動詞と多く結びつき、主語が伝達や動作を受けたことを客観的に描く際に用いられることを確認した。非情物主語「中立」は,動作性動詞や情景描写動詞と多く結びつき、語り手が非情物の事象を描く際に主語を背景化する表現として用いられることを確認した。In this paper I have classified and analyzed each usage of the passive voice in the subject texts. Through this process, I have confirmed the following phenomena: 1) The “suffering/favor" passive is used frequently with verbs of action, transmission, and emotion coupled with a living subject to convey subject's emotions. 2) The “neutral" passive, when comprising a verb of action or transmission paired with a living subject, describes events in which the subject receives an action. 3) The “neutral" passive, when comprising a verb of transmission or description and a non-living subject, describes events witnessed by the narrator.
- 2011-03-31
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