メディア論としての『2001年宇宙の旅』||メディアロン トシテノ 2001ネン ウチュウ ノ タビ
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概要
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1968年に制作された映画『2001年宇宙の旅』(原題“2001 Space Odyssey")は映画史に残る作品として、評価、人気とも高く位置づけられている。その理由としてあげられるのが内容の難解さで、これまで多くの議論を生んできた問題作としても位置づけられてきた。しかし、監督のS.キューブリックは本作品をM.マクルーハンのメディア理論に基づいて制作している。それゆえ、マクルーハン理論を踏まえながらテクストを分析することで、本作の難解さはかなり明快なものになる。また、マクルーハンは“メディア論の父"と呼ばれ、今日のメディア論の礎を築いた存在でもあるゆえ、本作品の分析は「メディア論」、そして「マクルーハン理論」理解のためにも極めて有効なテクストとなっている。本論ではマクルーハンの「メディアはメッセージである」「人間拡張の原理」二概念を軸に、A.ポルトマンの「生理的早産説」、R.ドーキンスの「利己遺伝子」を援用しつつ、本作品の謎解き、とりわけティコモノリスと呼ばれる黒石板の役割解明を通して、本作品のメディア論的な意義を考察していく。
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