脊柱靱帯骨化症に伴う脊髄障害性疼痛に対し顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)が著効した2例
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概要
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我々は,圧迫性脊髄症急性増悪例に対して顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte-colony stimulating factor: G-CSF)を用いた神経保護療法のPhase I/IIa臨床試験を進めている。本試験を施行中に,G-CSF投与後に脊髄障害性疼痛が軽減した2例を経験した。症例1は32歳男性。T7-10後縦靭帯骨化が脊髄を圧迫し,障害髄節に一致した側胸部痛と索路症状としての歩行障害が出現した。G-CSF 10μg/㎏/日を連続5日間点滴静注したところ,投与開始翌日から側胸部痛が軽減した。投与1ヵ月後にT4-12後方除圧固定術を施行した。投与後6ヵ月経過した時点で側胸部痛の再燃はなく,運動麻痺の改善も良好である。症例2は68歳男性。T11-12黄色靭帯骨化に起因する歩行障害と両大腿内側の疼痛を訴えていた。G-CSF 10μg/㎏/日を連続5日間点滴静注したところ,運動麻痺の改善とともに投与開始翌日から疼痛の軽減を認めた。投与1ヵ月後にT10-12椎弓切除術を施行した。大腿内側部痛は投与後3ヵ月頃から再燃傾向にあるが,投与後6ヵ月の時点においても投与前に比べて軽減した状態にある。本経験から,G-CSFが運動麻痺を改善させる作用以外に,脊髄障害性疼痛を軽減させる効力を有する可能性が示唆された。
- 2010-10-01
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