Une étude contrastive sur le verbe cognitif en japonais et en francais 3 -Valeurs sémantiques d'un verbe japonais "omoü" et leur traduction francais-
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概要
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本稿は,阪上(2009),(2010)の続編にあたる.日本語の「思う」を出発点とし,この動詞を含む発話とそのフランス語翻訳とを比較検討することによって,動詞に現れる認知的意味を分析していく研究の一部である.日本語動詞の中で,思考や認識を意味する多義的動詞の代表とも言える「思う」が登場する発話が分析対象である.この動詞の文脈における意味価値の分析から始め,11 の価値を提案するに至った(2009).また,各価値を翻訳するフランス語表現を分析することにより,日本語動詞「思う」に最も近いフランス語動詞を特定することができた(2010).これらは,コーパスにおける実例の分析から明らかになったものである.対照言語学的アプローチから認知的意味の動詞の多義性の分析を試みる場合,人間の基本的な認知行為である思考表現の問題を扱う様々な研究方法が参考になる.他言語への翻訳をその原著と共にコーパスとし,出発の形態素が表す意味が,言語によって異なる形式,形態をとって表現されている例を分析していくと,思考的認識と文法化現象との関連などが見えてくる.本稿では,筆者による分析結果と関連研究における仮説や方法論との比較・検討を試み,翻訳を利用した対照研究の今後の進展に有益な指針を確認する.
- 2011-03-31
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