都市の隙間空間としての「裏道」 : 港区元麻生の「裏道」を生きる人々の活動実践への注目から
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概要
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2000年代に入り大都市、特に東京都心の空間は、大資本や行政が牽引する力によってその姿を大きく変えてきている。そこでは超高層マンションや大型複合施設によって形成される開発空間が誕生しているが、同時にその袂に隙間的、裏道的と呼べるような空間もまた生成、もしくは発見されてきている現実がある。本論はこのような東京都心部の空間再編成過程においてたち現れてきている隙間空間としての「裏道」に注目し、その形成過程の把握とそれが今日の都市空間に対して有する意味の検討を目的とする。またその際、生活や経済活動の舞台として「裏道」を選んだ人々にとってそこがどのように生きられているのかという点に特に注目する。本論の構成は以下の通りである。はじめに問題の所在を述べ、次に方法論の検討として、都市サブカルチャー研究と消費社会論的都市研究、場所論、社会学的意味論という3つの領域の諸研究を検討する。第3に本論が対象とする港区元麻布エリアにある「裏道」を地理的特徴と物質的特徴から捉え、第4に、2000年代に入り「裏道」に付与された意味の検討を通し、そこを生活や経済活動の舞台として選んだ人々の活動実践を捉えていく。そして最後に、ニッチ産業を生きる人々による濃密なコミュニケーションへの注目から「裏道」の今日的な意義を論じる。
- 2011-03-15
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