李箱「終生記」における「本編」の構造と秋の主人公
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概要
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李箱の「終生記」は形式的に「前書き」と「本編」に分けることができるが、内容的には「本編」をさらに秋の物語と春の物語に分けることができる。また春の物語は秋の物語の主人公によって書かれる作品という構造を持っているが、以上の構造を検証していきたい。そして二つの物語における主人公の人物像は相反しているもので、それは因果関係によってもたらされた結果であるが、それによっていくつかの時間構造の解釈ができるようになる。また二つの物語を分ける基準になるのが貞姫から来た手紙であるが、この手紙は秋と春を分ける境である一方、反りの合わない二つの物語を繋ぐ重要な役割も果たしている。やがて二つの物語は春の物語に進むにつれて境が薄れ、一体化してしまうが、その一体化の根拠を作るのも手紙の役割で、なぜ一体化せざるを得ないのかは秋の主人公の置かれた境遇によるものであるが、秋の物語を分析することでこの全てが明らかになってくる。
- 2011-03-30
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