宮沢賢治文学における地学的想像力(11) : 基礎編・「〔地質調査ルートマップ〕」の検証(その2)‒賢治が採取した岩石標本及び地学的考察‒
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概要
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本稿は「宮沢賢治文学における地学的想像力」というテーマの下に企図された、連作論文の一つである。これまで、(一)「基礎編:珪化木 (I)及び瑪瑙」(「文学部紀要」文教大学文学部第21-2号)、(二)「基礎編:珪化木(II)」(「言語と文化」第20号、文教大学言語文化研究所)、(三)「基礎編:〈まごい淵〉と〈豊沢川の石〉」(「注文の多い土佐料理店」第12号、高知大学宮沢賢治研究会)、(四)「応用編:楢ノ木大学士と蛋白石、発展編:ジャータカと地学」(「文学部紀要」文教大学文学部第22-1号)、(五)「応用編:修羅意識と中生代白亜紀」(「文学部紀要」文教大学文学部第22-2号)、(六)「応用編:第三紀泥岩と影―朔太郎的不安との類似性―」(「文教大学国文」第38号)、(七)「基礎編:『〔地質調査ルートマップ〕』の検証(その1)―『五間ヶ森』とその周辺―」(「文学部紀要」文教大学文学部第23-1号)、(八)「応用編:『岩頸』意識について―〈現実〉と〈心象〉―」(「文学部紀要」文教大学文学部第23-2号)、(九)「基礎編:安山集塊岩―花巻農学校での土性調査実習にからめて―」(「宮沢賢治研究annual」№20)(十)「基礎編:「盛岡附近地質図」の検証―飯岡層の扱いを中心に―」(「文学部紀要」文教大学文学部第24-1号)を発表している。本稿は、「〔地質調査ルートマップ〕」の検証」(その2)として、「〔地質調査ルートマップ〕」に記載されたほぼすべての岩石標本採取ポイントに対し、実地調査を試みた報告である。賢治が採取したと推定される岩石の種類を確認し、必要に応じて地学的考察を加えていく。本調査に際し、紫波町在住の地質学者、照井一明(理学博士)氏の全面的協力をいただいたことをここに申し添えておく。照井氏はほぼ全行程を同行してくださり、岩石標本採取ポイントの確定作業や各調査地域の地質学的特徴などもご教示くださった。また、盛岡市在住の泉澤竹男氏、花巻氏在住の岩田安正氏にもお世話になった。ほぼ毎回ご同行いただき、熊対策(鈴・爆竹)などもしていただいた。今回のような山岳地帯の調査は、崖崩れなど常に危険が伴っており、私のような山にも地質にも素人の者が、無事に調査を完了できたのも、照井、泉澤、岩田各氏のご協力あってのことで、改めて感謝の意を表したい。照井一明氏は、本来ならば著者の一人として遇すべきであるが、岩種の判断において照井氏のご指導と多少異なる点があるため、最終的な責任はすべて鈴木にあることを考慮し、単著とした。また、本研究では、調査費として文教大学学長調整金を使用させていただいている。
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