思春期精神疾患の回復過程における保健室登校の意義について : 拒食症の治療経験から
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概要
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回復過程において保健室登校の時期を経過した拒食症の症例を検討し,保健室登校の意義について思春期精神科臨床の立場から考察した。拒食症患者は発症とともに退行し,同年代の子との心理的発達段階に乖離が生じるため学校適応が一般に困難になる。回復過程において,家庭から学校社会への再適応が課題となるが,その際保健室登校が重要な意味を持ってくる。症例においては,母親手作りのお弁当を保健室で養護教諭と一緒に食べることがきわめて治療的な意味を持ち,これは「守られた環境での母親と2人の食事の,学校内における再現」と意味づけることができた。思春期精神科疾患の回復過程において保健室登校が有効に機能する要因として,保健室が学校内で唯一非社会的空間として機能しうることと,母性的であり,かつ子どもからみて対象恒常性を保ちやすい存在である養護教諭の特性が考えられた。
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