「特別な教育的ニーズ」概念--相互作用モデルについて
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概要
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「特別な教育的ニーズ」の概念は,特別ニーズ教育を具体的に推進するうえでその方向性を左右する重要なものである。そして,基盤理論が示されていない日本の特別支援教育を適切に方向付ける上でも鍵となる考え方の一つである。しかしながら,実際には,用語も含めて国や研究者によってもその使われ方が統一されていないために,混乱を生じたり適切な議論が妨げられているのが現実である。本論文では,こうした現状を念頭におきながら,この概念が提起された当初の課題意識に鑑みて考えられた「相互作用モデル」について取り上げた。この「相互作用モデル」の理論について直接取り上げた真城(2003)の研究は,我が国ばかりでなく,世界的にもまれな研究業績であるが,本論文はその特徴をふまえて論じたものである。インクルーシヴ教育の実現のためには,環境要因の分析とそれをふまえた対応が不可欠であることから,まさに相互作用モデルによって「特別な教育的ニーズ」をとらえることが有効であることが強調された。(p.331)
- 千葉大学教育学部の論文
千葉大学教育学部 | 論文
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