神経生理学を基盤とした意識障害患者への回復のための看護介入方法
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概要
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本研究は,意識障害患者へのリハビリテーション看護の端緒を開くために,「注意」「感覚統合」の神経生理学を基盤とした複数異種感覚刺激が脳を活性化するかについて検討した.対象者は健常な男女48名(平均年齢23.0士3.6歳)であった.課題は臥位,カレー匂によるニオイ刺激,食事行動を想起させる食行動刺激を5分間毎にランダムに行った.測定部位は国際10-20 法に則り,左前頭葉に相当する位置とした.α波とβ波成分を3秒間毎に定量化した発現数を5分間測定し,平均値,標準偏差値による増減値,変化率値を求めランダム比較検討を行った.結果,発現数平均値では食行動刺激群(α波;24.0士33.5,β波;22.8士29.7)がニオイ刺激群(α波;6.9土4.1,β波:7.4士4.2)より有意に高かった(p<0.01). 増減幅値でも食行動刺激群(α波;12.0土15.6,β波;9.7士13.1)がニオイ刺激群(α波;4.5士3.9,β波;3.8士2.2)より有意に大きかった(p<0.01). そして,変化率においても食行動刺激群がニオイ刺激より有意に大きかった(p<0.01). 従って,食行動刺激群がニオイ刺激群より前頭葉において注意が向きやすく,感覚統合が起きやすい刺激であることがわかった.この刺激は日常的行為であり看護介入一方法として今後の臨床応用が必要である.
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