脳波による意識障害患者の脳活動評価の検討 : 複数異種感覚刺激によるα波とβ派の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
意識障害患者に対し脳波測定による意識障害の評価方法について検討した。【方法】対象者は脳損傷による意識障害患者20名(64.4士23.3歳)で,発症14日-30日目を初期(6名), 31日-59日目を継続期(6名), 60日目以上を遷延期(8名)に分類した。評価方法は複数異種感覚刺激の介入と介入前後の臥床安静を脳波測定した。測定部位は前頭葉に相当する位置とし,α・β波成分を定量化した発現数を5分間測定し,発現数時間割合,変化率,増減幅値を求め比較検討を行った。【結果】α・β波共に発現時間割合では3者間での有意差はなかった。しかし,α波の初期では介入前84.3士30.1%,介入中100%,介入後99.7%であった。遷延期は介入前99.6土8.5%,介入中100%, 介入後99.7%であった。変化率においても3者間の有意差はないが,α波の初期では介入中3.6士4.5,介入後0.5士0.9であり, 遷延期では介入中0.1士0.7, 介入後一0.4土0.4 であった。増減幅値ではα波の初期(6.3士6.3) は遷延期(0.5士1.1)より有意(p< 0.05)に高く,β波も3者間で有意な差(p<0.05)があり, 特に初期(0.7土0.7) は遷延期(-0.6土0.3)より有意(p<0.05 )に高かった。【考察】意識障害患者において,意識障害が短期間の患者が長期間の患者より介入により覚醒状態があがり,脳が活動的である。一方,長期間の患者は, 介入の有無にかかわらず,脳活動が確認できる人もいた。このことから,脳波測定が評価としての可能性が支持されるが,さらなる研究が必要である。
論文 | ランダム
- 8. 5台の計算機と連動する運用時間記録装置
- 連続音声認識のタスクの複雑さを表す新しい尺度
- 大語彙連続音声認識のための音響的先読みによる高速化
- タスクの複雑さを表す新しい尺度 : SMR-Perplexity
- パープレキシティと音声認識率の関係