大腿骨頚部骨折に仙骨部褥瘡を合併したため治療方針に難渋した症例
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概要
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大腿骨頚部骨折の治療は観血的治療が第一選択であるが,股関節近傍に皮膚のトラブルが存在するとインプラントを挿入する手術はためらわれる。今回我々は大腿骨頚部骨折に仙骨部褥瘡を合併し治療に難渋した症例について報告する。68歳,女性,自宅で転倒し受傷.約20日後に救急搬送された時点で,仙骨部に直径15cmほどの褥瘡を形成しており,X 線上Garden stageⅣの右大腿骨頚部骨折を認めた。不顕性の骨髄炎合併も考慮し褥瘡治療後に骨折治療を行う方針とした。褥瘡に対し大殿筋膜皮弁施行し,創治癒後に人工骨頭挿入術を計画したが股関節内に感染徴候を認め,Girdlestone 手術とした。術後2ヵ月で歩行器歩行可能となった。感染を合併した大腿骨頚部骨折に対してGirdlestone 手術を行った報告が散見されており,良好な結果となっている。Girdlestone手術を行うことも一つの選択肢として有用であると考えられる。
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