理科における学習の場の構成と自然認識の成立-1-具体物と言葉によるイメ-ジ形成の実態と脳波の変化
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概要
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本報においては、自然の事物・現象とする問題解決を、実際の具体物を対象にしてのものと、具体物を用いずに言葉だけでのものとを設定し、それに伴なう生体反応の導出・分析から、具体物によるイメージ形成と言葉によるイメージ形成の実態の分析・把握を試みるものである。女子学生14人を学習者とし、生体反応としては脳波を導出し、パワースペクトル分析を用いた。用意した問題解決はローソクの燃焼に関するものと、乾電池と豆電球の回路に関するものである。その結果、(1)具体物による場合と言葉による場合とで、形成されたイメージに差がなく、しかも、知的緊張度も高くない場合には、脳波のパワーに高パワーは認められず、イメージ形成の手段としての具体物と言葉の違いは脳波のパワー値には現れてこないと言える。 (2) 具体物による場合と言葉による場合とで、形成されるイメージの内容に違いが生じてきた場合には、脳波のパワー値にも違いが生じ、それは、イメージの量よりも質、たとえば知的緊張を伴なう度合などに対応すると考えられる、ことなどが指摘された。
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