世田谷区の移動支援センターの運営及び利用実態に関する基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
障害者が旅行する場合、現地での移動や介護などの支援を受けることが必要であるが、我が国ではユニバーサルツーリズムセンター(バリアフリーツアーセンター)などがようやく全国で10~20か所程度出来てきたところである。本研究は障害者の旅行の基本である交通予約・配車センターにスポットを当てる。この移動支援センターは日常のシステムであるが、障害者が旅行するためのユニバーサル・ツーリズム・センターの移動の部分を担う重要システムである。本研究は、日常生活における移動困難者の外出を支える重要な仕組みである「移動支援センター」を、わが国で初めて構築する上で、移送サービスの潜在需要を推計し、さらに需要量を把握した。それらの需要に対応した「移動支援センター」の基本機能を提示し、具体的に運営する仕組みを構築し、「世田谷移動支援センター」で実際に試行運営を行う中でその効果を確認した。しかし試行段階では登録人数が潜在需要に比べて少なく利用頻度も低いこと、外出目的が医療等の行為に留まることなど、センターの活用状況は必ずしも活発ではない。これらの結果を踏まえて今後の課題として、需要を顕在化させる道筋や相談機能の強化などを提示した。
- 2010-03-30