観潮楼歌会の新資料--平出禾氏蔵詠草稿について
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概要
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本稿は、標題のように、明治末期に文豪森鴎外が提唱主催した「観潮楼歌会」の新資料である同歌会の詠草稿の紹介と解説であるが、本論に入るに先立って、便宜上同歌会の概要についてごく簡単に触れておきたい。(観潮楼歌会の詳細な全貌については、拙稿「観潮楼歌会の全貌」角川書店「短歌」昭和33年10月号12月号、「森鴎外と短歌」明治大学人文化学研究所紀要第8号昭和32年12月、「観潮楼歌会の全貌」明治大学人文化学研究紀要第一冊昭和37年12月を参照して頂きたい)二箇年にわたる日露戦役従軍から凱旋(明治39年1月)して、まもなく第一師団軍医部長兼陸軍軍医学校長事務取扱(同39年8月)や陸軍軍医総監・陸軍省医務局長(同40年11月)に任補されるなど公けの身分が確定し、一方では文学的にいわゆる”活躍準備時代”を迎えた森鴎外が、
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