比喩・皮肉理解力の発達に関する検討ー比喩・皮肉理解力テストを用いてー
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概要
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比喩や皮肉の理解は、他者の暗黙の意図を推測する力の一つとして、社会生活上で重要であり、自閉症等の発達障害の多くには、この未熟さがある。しかし、その客観的な評価方法は確立しておらず、定型発達児の発達過程の詳細も十分には明らかとなっていない。そこで、本研究は、日常的な一場面を文章や絵(2コマ漫画)で提示し、そこに含まれる比喩や皮肉の意味を判断する質問紙形式のテスト(比喩・皮肉理解力テスト)を作成するとともに、小学5年生から中学3年生までの児童・生徒494名に施行して、その発達過程を検討した。その結果、比喩・皮肉とも、理解力得点は小学5年生から中学1年生までは向上するが、中学1年生から3年生までは変化がなかった。また、小学生段階では男子より女子の方が好成績の傾向にあり、比喩と皮肉の理解力得点は場面の提示方法(文、絵)によって異なる傾向を示した。これらのことから、比喩・皮肉理解は中学生段階で完成することが示唆され、子どもの社会的認知の発達過程や発達障害児の診断・判別方法の検討等に関する本テストの有効性が確認された。
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