定住型^<(1)>非母語話者のスピーチレベルシフト : 共生日本語からの一考察
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概要
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多言語化・多文化化していく日本社会の目指す言語的な方向性を築く手がかりを探ることを最終的な目標とし、本稿では、コミュニケーションストラテジーとして使われているスピーチレベルシフトを例に取って接触場面における共生日本語の一側面の解明を目指した。共生日本語とは、接触場面において参加者の協働の結果新たに生み出される「内容」を言語的に担うものであるとされている。本稿では、接触場面におけるスピーチレベルシフトが実現するものを「内容」と捉え、その「内容」の解明を試みた。会話データの分析の結果、接触場面における非母語話者のスピーチレベルシフトの要因として、(1)「アドレス」、(2)「心的態度」、(3)「力関係」の三つが示され、それぞれが、(1)「オンステージの明示」、(2)「心的距離の短縮」、(3)「母語話者への感謝の気持ちの表示」や「日本語・日本文化の教示の要請」を実現していることが分かった。共生日本語は、接触場面において定住型非母語話者がとるコミュニケーションストラテジーの側面を持つことから、母語話者のそれへの理解や受容していく姿勢が望まれることを指摘した。With an influx of Japanese speaking permanent foreign residents, the concept of "one Japanese" is no longer valid. In order to create a multilingual, multicultural society we have to make place for different kinds of Japanese or Japanese as a symbiotic language (hereto referred to as JS). This paper is an attempt to list down some of the features of JS. In order to list down the features of JS, I focused on speech level shift (hereto referred to as SLS) of non-native speakers of Japanese. As a result, I was able to point out three reasons for their SLS and its functions. The three main reasons for SLS were: 1) speech address, 2) change in psychological behavior and, 3) power relations. These reasons had the following functions respectively. 1) acted as an on-stage marker, 2) expressed the feeling of closeness toward native speaker, and 3) expressed the feeling of gratitude toward native speaker.
- 2003-12-06
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