北京語母語話者と上海語母語話者を対象とした日本語の有声・無声破裂音の横断的習得研究(水谷信子先生退官記念号)
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概要
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本研究は、上海出身の学生が他方言地域の学生よりも日本語の有声・無声破裂音を自然に習得することから、中国語の方言に有声破裂音のない北京語母語話者10名と有声破裂音のある上海語母語話者10名を対象に、日本語の有声・無声破裂音の獲得の実態や習得状況について、知覚および発音の調査を行って、横断的習得研究を試みたものである。研究の結果、知覚の正聴率や発音(VOT値)など、方言の有声破裂音の有無によって、上海語母語話者には正の転移が見られるなど、習得に違いがあることが観察された。また、中国人話者は、習得にあたって、有標性の観点から、共通した習得順序を持つ可能性があることも示唆できた。
- 1995-07-01