ES細胞からの心筋細胞の分化誘導と単離
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概要
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胚性幹細胞(ES細胞)とは胚の内部細胞塊(ICM)に由来する細胞を株化したもので,i無限に近い増殖能と多分化能を有する.試験管内(invitro)では胚様体(EmbryoidBody)と呼ぼれる3次元構造体を経て,比較的容易に自動拍動する心筋細胞を生じることが知られている.胚様体における心筋への分化誘導はその遺伝子やタンパク質の発現パターンなどにより,胚発生における心筋分化プログラムをある程度再現していると考えられている.ES細胞は分化誘導の基本メカニズムを理解する上で,学術的に興味深いモデル系となりうるが,近年では再生医療の細胞ソースとしての期待が高まってきている.しかしながら,胚様体の形成を経て心筋細胞へと分化する割合は全細胞の5%くらいで,分化した胚様体は基本的に複数の種類の細胞を含む.そこで,より効率良く心筋への分化誘導を行い,高い純度で胚様体から心筋細胞を単離することが,重要な課題となっている.本総説では,マウスES細胞を用いて心筋特異的マーカーを導入したES細胞の樹立とそれを利用した分化心筋細胞の解析,分化誘導因子の検討について,我々の行ってきた研究を中心に述べたいと思う.
- 福岡医学会の論文
- 2004-07-25
福岡医学会 | 論文
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