猪名川町の木喰仏: 調査概報
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概要
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木喰仏とは木食上人(木喰五行明満一七一八- 一八一〇) によって刻まれた一連の木造彫刻のことである。全国各地に八〇〇体以上の作品が伝存し、民芸運動の創始者でもある柳宗悦氏によって世に初めて紹介された。その形式にとらわれない自由な作風は、同じく江戸時代に数多くの独創的な彫像を遺した、円空(一六三ニー九五)と好対照をなすとしてよく比較される。円空仏は「錠はつり」といわれる彫法による荒々しい造形表現を特徴とするが、木喰仏の表面の彫成はなあらかで像容は全体に丸みをおび、面容も円満な相を示すものが多い。また、その独特の面容の表現から微笑仏の名でも親しまれている。兵庫県川辺郡猪名川町にはこの木喰仏二六躯がほぼ当初のままの姿で伝存しており、今回これらの調査を行う機会を得たので、その概要をここに報告するものである。調査期間は一九九八年= 月一三〜一七日および二〇日の五日間、調査は猪名川木喰仏詳細調査団(代表光森正士先生〔本学教授〕、顧問水野正好先生〔本学学長〕、調査員永井洋之・原洋一・堀純子・松本有香子〔以上、本学大学院生〕・栗田美由紀)が行い、資料の整理にあたってはさらに雄山純江・山口直子(以上、本学大学院生)両名の協力を得た(所属は調査当時)。なお、今回報告する木喰仏二六躯は、本調査の後、一九九九年四月に兵庫県重要文化財として指定されている。
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