キシラナーゼに関する研究(第3報) 沃度法によるキシローズの徴量定量法(第1報補遺)
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概要
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1.沃度法によるキシローズの微量定量法(2mg以下)に於て加熱時間の影響、Cu2Oの沈澱をH2S04に溶解後滴定迄の時間の影響、標準滴定値及び計算式を求めた。 2.キシローズに対するN/100 Na2S2O3溶液の滴定値(対照値―実験値)は加熱時間15分間で最大に達する。即ち15分間加熱(100℃の湯浴)すれば反応は完結するものと思はれる。なお短時間に沢山定量する場合には第1式を使用すれば、10分間加熱で、誤差1%以下でキシローズを定量し得る。 3.Cu20の沈澱をH2S04に溶解後、滴定迄の時間が3分以内に於ては滴定値に及ぼす放置時間の影響は殆ど認められない。放置時間が5及び10分間に於ても、滴定値が約1%増加する程度である。従ってI2の気散を考慮しCu20の沈澱をH2S04に溶解後、3分間以内に滴定を終了するがよい。 4.キシローズを求める計算式は次の如くである。(A)加熱時間10分間の場合 y=0.14632+0.25333x+0.00097x2・・・・(1) (B)加熱時間15分間の場合 y=0.10686+0.2707x-0.00181x2・・・・(3) 但しx:滴定に要したN/100Na2S2O3溶液のcc数(対照値―実験値) y:被倹液5cc中のキシローズのmg数 5.加熱時間10分間の場合第1報の附表を引用する時は第1式により計算したキシローズの値よりも約±0.4%誤差が大きくなるのみで、従って、この点を考慮すれば第1報の附表を利用することが出来る。但し上述した如く第1報の加熱時間は共栓三角フラスコを湯浴中に入れ、温度が100℃に上昇した瞬間から、また本報では100℃の湯浴中に共栓フラスコを入れた瞬間より時間を測定した。
- 奈良學藝大學の論文
- 1953-12-25
奈良學藝大學 | 論文
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