「殿位記」に関する基礎的考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
位記とは、律令制において位階を授けられる時に与えられた文書である。授与された位記は各人が保管し、位記の控えとなる案は式部省もしくは兵部省(女官の場合は中務省) により管理された。何事もなければ再び取り出されることのない性格の文書であった。ところが、位記が再び取り出される時がある。それは罪を犯し刑を受ける際、その付加刑として位階が降される場合である。降される位階の位記は意味を失うこととなり、内印(天皇御璽)あるいは外印(太政官印) の捺された位記を破棄する必要が生じてくる。その位記破棄の儀式が「殿位記儀」である。本稿は位記を破棄すること、すなわち「殿位記」に注目し、その変遷や意義の視点から律令位階制の変質を考えてみたい。すでに先学による位階制の研究は枚挙に逞がないが、位記について専論するものは管見の限り多くない。屋上屋を架す可能性もあるが、古代における位記あるいは位階制の意義を一瞥したい。
論文 | ランダム
- 一九九八年特別展「大モンゴル展 : 草原の遊牧文明」の生起
- 賈◆S6982◆◆S6891◆さん
- イチンホルローギーン・ルハグバスレンさん
- 色音さん
- 稲村哲也著『リャマとアルパカ : アンデスの先住民社会と牧畜文化』