古代における建築技法の変遷について
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概要
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現存最古の木造建造物である法隆寺金堂・五重塔・中門等に関しては、明治年間の伊東忠太氏・関野貞氏の研究以降、その猫特の細部の源流についても多くの論考があり、昭和大修理の最後に金堂・五重塔の解体修理が行われているが、建立年代は明確に出来なかった。これに類する建築雛形的遺物に玉虫厨子宮殿があり、特に上原和氏の精緻な研究がまとめられている。法起寺三重塔を含めて、金堂等に続く古い建築遺構は薬師寺東塔であるが、その形式技法には大きな差がある。この薬師寺東塔も奈良時代中期の東大寺法華堂、同後期の唐招提寺金堂等とは技法上の相違が少なくない。また、戦後の発掘調査では飛鳥寺・山田寺・川原寺をはじめ諸国の国分寺等、多くの成果があげられている。特に山田寺金堂の調査では特異な礎石配置が確められた。飛鳥・奈良時代の建築技法は中国を起源とし、半島三国を通じて、あるいは晴・唐の直接の影響を受けていることは云うまでもない。この時代における建築技法の変遷について、多くの先学の研究や発掘調査の成果によりながら私見を述べようとするのであるが、異論も少くないと考えられ、これらの点は御教示を賜われば幸である。
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