昭和39年6月16日新潟地震調査概報今回の地震の主要震域は,旧くから油国地帯として詳細な地質調査が行なわれ,天然ガス開発のため,平野部の浅層地質の調査も進み,また,地盤沈下の問題に関連して,測地学的調査も操り返され,本邦でその地下構造が最も詳細に調べられている地域である.地層の静的および動的状態について,この地方ほど資料の豊富な地域は珍らしい.今回の地震は,地質学的見地からも,きわめて興味深い問題を提供したといえる.