Present Stage of Agricultural Co-operative Mergers and Structural Reorganization in Japan
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概要
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日本の農協の特徴は、事業の総合性、組織における属地主義と全員加盟性、機能における行政補完の3点が指摘されてきた。確かに、従来の1980年代初めに至る農協合併の経過は、市町村規模を目指したものであり、ほぼ市町村数と一致するところまできた。農協規模の市町村規模との一致は、この3つの特徴と密接に関わってきたが、この間の輸入自由化の促進は、農協の制度的位置づけを取り払い、その性格をより競争的なものへと再編しようとしている。今回の農協合併の目標は、貯金規模を目標としたものであり、系統組織の2段階再編は、総合農協の事業の総合性を縦割に解体する方向で進められている。現段階のわが国の協同組合はすでに「企業」として成熟した事業を営む方向に向いつつあるが、現段階の協同組合としての生き残り策のポイントは、営利企業としての方向ではなく、「民主的企業」としての方向性であろう。その点で、事業の仕組みの中に組合員参加を位置づけることが大切であるが、2つの実践がヒントを与えている。1つは、協同組合労働者自身が仕事のあり方を組合員に役立つものへと変えようとする動きであり、もう1つは、消費者と結びついた組織的産直の取り組みである。営利企業に比べてより以上に協同組合としての競争力が人であることを考慮する時、「民主的企業」としての農協のあり方を選択する上でどちらも大切なポイントとなる点であると考えられる。
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