第2章 必修教科等の研究 7 保健体育科 改訂学習指導要領から見たこれからの保健体育を考える
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
改訂学習指導要領では,「心とからだの一体化」・「指導内容の体系化」・「コミュニケーション能力の育成」・「健康なライフスタイルの確立」という4つのキーワードを示し,「生きる力」の育成を明示している。それにともなって授業時数増の趣旨をどのように生かすかが求められている。授業時数増の最終的なねらいは「思考力等」の育成であり,「考える力」を育てるために,考える時間や場面を保障することが必要となる。つまり,「思考力等」を育てるための時間をどのように生み出すか,また,それをどのように活用するかが大きな課題である。本年度は,この「思考力等」に焦点を当ててみる実践を行った。情報科・BT(BIWAKOTIME)で得た『学び方』の方法知を取り入れ,仲間との関わりの中で,動きの本質や運動の特性を考えさせたり,からだで感じたこと,目で見たことを文字にさせたり,頭で考えたことをことばで伝えさせることを重視した。また,健康志向が高まる昨今,家庭や地域社会との連携を図る方法を探りながら,日常生活において健康について考え,行動できる実践力を身に付けさせることを重視した。その結果,1年生では,からだの動きに対する語彙が具体的に現れ始め,3年生では,三年間の積み重ねを得て,文章を書くこと・伝えることがより明確になり,視点を自分の動きと他人の動きを比較できるという生徒の変容が見られた。
- 2010-05-20